研究課題/領域番号 |
07457489
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
島田 桂吉 神戸大学, 医学部, 教授 (70010204)
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研究分担者 |
栄田 和 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
高橋 伸彰 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
寺延 治 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40127379)
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キーワード | HAP顆粒 / 焼成温度 / Mg / MC3T3-E1 / 培養液 / ^3H-TdR / 針状結晶 / 骨形成 |
研究概要 |
これまでの材料学的な検討結果から、Mg添加によりβ-TCPを安定化させたHAPの特性把握を目的とし、焼成温度の異なる3種類のHAP顆粒を用いて、材料の溶液反応活動が生物学的に及ぼす影響について検討した。 実験材料には同じ組成(Ca/P比1.65、Mg含有0.18%)を有するが、焼成温度を1100、1200、1300℃と変化させて合成した3種類のHAP顆粒を用いた。培養細胞には、マウス新生仔頭蓋冠由来の骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いた。 これらのHAP顆粒を浸清させた培養液を添加した群では、添加した培養液の濃度に比例して、α-MENだけを用いて培養したコントロール群より、MC3T3-E1への^3H-TdRの取り込みが増加したこと、また、焼成温度の違いによるMC3T3-E1への^3H-TdRの取り込みに有意差が認められなかったことより、添加した培養液の濃度に依存して増殖の刺激が亢進されており、HAPの影響によるわずかな培養液内の無機成分の変化が、細胞に影響を与えることが示唆された。 さらに培養液中のMg濃度に比例して、MC3T3-E1の^3H-TdRの取り込みが促進されたことより、MgはMC3T3-E1の増殖能を刺激し、その程度は濃度に依存することが判明した。 また、これらの試料では、1100℃では顆粒表面に析出物は認められなかったが、1200℃ 1300℃では針状結晶が密に生成しており、これは、表面への析出が初期の骨形成に関することを示唆するもので、重要な所見と考えられた。
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