研究課題/領域番号 |
07457489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
島田 桂吉 神戸大学, 医学部, 教授 (70010204)
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研究分担者 |
栄田 和 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
高橋 伸彰 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
寺延 治 神戸大学, 医学部, 助教授 (40127379)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | ヒドロキシアパタイト / 微量元素 / MC3T3-E1 / マグネシウム / 自家骨髄 / 混合移植 / GTR法 / ポリフッ化エチレン膜 |
研究概要 |
本研究は、より生体に適合し、かつ骨形成の場としての環境を維持しながら、骨形成ならびに生成された複合組織の安定性に優れたHAよりなる骨充填材の開発を目的に行われてきたが、今回、HAを構成する無機質ならびに微量元素の生体に与える影響を検討するとともに、有効な臨床応用の方法についても検討を行い、以下の結論を得た。 1)培養液(α-MEM)中にHA顆粒を浸漬させ、HA表面のCa、Pの動態を観察したところ、培養液中のCa、Pの量は減少し、HA表面にCa、Pの析出が認められた。逆に、培養液中にMgの増加が認められたところから、生体内においても、HAに含まれる微量元素は絶えず溶出、析出を繰り返している可能性が示された。 2)骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いて、これら微量元素の与える影響を検討したところ、細胞の増殖能に促進的に作用することが示された。また、Mgについても同様の結果であった。 3)家兎脛骨内移植実験においても、Mgを少量添加したHAは、添加しない群に比して良好な骨形成とHA-骨複合体の安定性を示した。この理由として、Mgを添加することによって、従来湿式法では困難であった、1200℃焼成のβ-TCPとHAの2相混合セラミックスが可能となり、このアパタイトに含まれるβ-TCPが骨形成に有利に働いたものと考えられた。 4)顎口腔領域で、HAの最も使用頻度の高い軟組織が関与する臨床応用を考えて、HAと骨髄との混合移植、組織再生誘導法(GTR法)の併用を行ったところ、ともに良好な骨形成、安定性が得られ、臨床応用には有効な方法であることが確認された。
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