研究概要 |
ブレオマイシン高感受性ヒト舌癌株SCCKNと低感受性SCCTFを用い、ヌードマウス舌へ生所性移植を行い、浸潤、転移様式によりいくつかのグループに分類、そして、分類したそれぞれについて凍結組織切片を作成し、癌抑制遺伝子の変異、細胞接着分子、細胞外マトリックス等について、原発巣および転移巣において検索を行う。現在、その病理組織学的特徴について検討し、いくつかのグループに分類しその差異の検討を行なっている。また、異所性移植においては、ほとんどリンパ節転移を示さないと言われている本舌癌株において、低感受性株SCCTFに少ないもののリンパ節転移が認められており、両者の生物学的特性とその悪性化において、今後興味ある知見が得られるものと考える。また、実際の臨床において治療前の口腔扁平上皮癌の生検標本を用いて、ras,p53,p16/CDKN2遺伝子変異および免疫組織化学染色、細胞増殖能について検索しているので、化学療法および放射線療法に対し効果を示す症例と抵抗性を示す症例について、その関連を検討し口腔癌の悪性化因子について明らかにする予定である。
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