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1996 年度 実績報告書

食餌性脂質の性状が骨代謝におよぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 07457509
研究機関広島大学

研究代表者

守本 優子  広島大学, 歯学部, 助手 (20223422)

研究分担者 石塚 泰男  広島大学, 歯学部, 助手 (50274098)
森本 徳明  広島大学, 歯学部, 助手 (70253101)
キーワード脂質 / n-3系多価不飽和脂肪酸 / アラキドン酸 / プロスタグランディン / 破骨細胞 / リモデリング / 骨形態計測 / 実験的歯の移動
研究概要

本研究では,n-3系多価不飽和脂肪酸に富む魚油の摂取が,生体内のアラキドン酸とPGE_2の生成を抑制することに着目し,食餌性脂質の差異が顎骨・超管骨における成長と骨代謝におよぼす影響を比較検討した。実験対象として4週齢ウィスター系雄性ラットを用い,脂質を調製した飼料の摂取下で最長26週間飼育した。飼料は,低脂肪飼料にコーン油(対照群),精製魚油をそれぞれ10%の割合で混合したものとした。実験期間中,体重と飼料摂取量の測定,頭部と脛骨のX線規格写真撮影を定期的に行った。実験期間終了後、下顎頭部と脛骨を採取し,片側はVillanneva bone stainを施し非脱灰研磨標本として蛍光顕微鏡観察を行い,残り片側は脱灰薄切標本としてTRAP染色を施し光学顕微鏡観察を行った。なお,非脱灰研磨標本の作製に使用するために備品として硬組織研磨装置を購入した。骨の形態には飼育開始8週目までは有意な差がなかったが,10週目以降,魚油摂取群で脛骨長,下顎効果長が大きい値を示した。組織学的には,飼育開始6週目以降,魚油摂取群の破骨細胞数および吸収面は対照群と比較して有意に小さく,骨吸収が抑制されていた。一方,類骨面は有意に大きい値を示し,骨形成が促進している可能性が示唆された。骨組織における成長速度,石灰化速度は魚油摂取群で増加傾向を示したが,有意な差は認められなかった。現在,長期的コントロールに伴う骨のリモデリングの変化を検討中である。
さらに,当初の計画に追加して,歯の移動に対する影響を検討した。前述の実験系でラットを6週間飼育した後に実験的歯の移動を行った結果,魚油摂取群の破骨細胞数は対照群の60%に減少し,歯の移動量は80%に抑制されることが示された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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