研究課題/領域番号 |
07457510
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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研究分担者 |
冨田 耕治 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263849)
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
大和 香奈子 徳島大学, 歯学部, 助手 (40243711)
吉岡 昌美 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90243708)
林 祐行 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80243707)
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キーワード | 歯周病原因子 / P. gingivalis / コラーゲン分解 / トリプシン様酵素 / クロストリパイン |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalis 381株の培養上清を超遠沈法により上清とベシクルに分離し、上清からは可溶性のトリプシン様酵素(Pase-S)を、ベシクルからは膜依存性の2種類のトリプシン様酵素(Pase-B,Pase-C)を分離、精製した。これらのプロテアーゼについて酵素タンパクとしての性質を明らかにするとともに、歯周病原性と関連の深いと思われる生物活性について調べた。 Pase-Sに対するポリクローナル抗体を作成し、これに対するイムノブロッチングによって免疫学的性質を調べたところ、この抗体はPase-Bとよく反応するがPase-Cとは反応しなかった。Pase-Bの酵素タンパクには糖が多く含まれているが、他の酵素には殆ど含まれていなかった。歯周組織中に最も多く存在するタイプIコラーゲンは三つの酵素のうちPase-Cにのみ感受性を示すが、タイプIVコラーゲンはすべての酵素によって分解されることがわかった。さらに、トリプシン測定によく用いられる人口基質の一つであるN_α-benzoil-dl-arginine p-nitroanilideはこれらすべての酵素によって分解されるが、N_α-benzoil-dl-lysine p-nitroanilideはPase-Cによってのみ分解されることから、Pase-B,Pase-Sはトリプシン様というよりむしろクロストリパインに類似していることがわかった。Pase-Cのコラーゲン分解特性や基質に対する広範な基質親和性からみて、本酵素は歯周組織破壊に重要な役割を演じているものと思われる。
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