平成7年度は、主に口唇口蓋裂自然発症における母親の子宮内要因の解明を、以下のようにして行った。 1.口唇口蓋裂自然発症モデルマウス(CL/Fraserマウス)と、正常マウス(C57BLマウスを用い、2系統間での受精卵移植実験を行なった。 2.2系等の母親マウスから出産した新生仔マウスについて、口唇口蓋裂自然発症の有無を比較した。 3.新生時マウスの当部X線規格写真撮影を行なった。 4.コンピュータと連動した頭部形態分析装置により、顎顔面頭蓋の形態測定を行なった。 5.統計遺伝学的分析により、口唇口蓋裂自然発症における母体の子宮内環境要因の影響の関与を明確に解明すした。 このようにして得られた研究成果の一部については、既に学会発表および外国の専門学術雑誌に2編の英語論文として発表した。 このようにして本年度は、マウス受精卵移植法を用いて、口唇口蓋裂自然発症胎仔マウスの子宮内での顎顔面頭蓋の形態形成に、母体の子宮内環境が重要な働きをしていることを確認し、本年度目的とした研究成果を確実にあげている。
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