研究概要 |
昨年度の第1年目の調査では60,70歳の保有歯数は過去の生活習慣と深くかかわっていることが明らかになった。また60,70歳の現在の食事でエネルギーの摂取量が少なく,糖質の充足率も有意に低いという結果であった。 今年度は骨密度と歯数の関係を分析することを中心に研究を行った。 成人健康診査の受診者で歯科検診を受診した者のうち,60歳70歳代男女88名を対象とした。骨密度の測定は踵骨超音波骨量測定装置を用いて測定を行い,同年齢比較値,20歳比較値を得た。歯数は智歯を含む「全歯数」、前歯と犬歯のみの「前歯数」,小臼歯と大臼歯(智歯)を除く「臼歯数」を用いた。有意差はピアソンの相関係数を用いて検定した。 その結果,男性は骨密度と現在歯数のどの組合せにおいても有意な差は認められなかった。女性でも同年齢比較値と歯数の相関は低く有意な差はみられなかった。しかし20歳比較値と前歯数で有意な差(p<0.05)がみられ,全数でも傾向(p<0.1)がみとめられた。 今回の調査で女性において骨密度と歯の数とが関係していることが明らかとなった。
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