研究課題/領域番号 |
07457518
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古賀 憲司 東京大学, 薬学部, 教授 (10012600)
|
研究分担者 |
新藤 光 東京大学, 薬学部, 助手 (40226345)
小田嶋 和徳 東京大学, 薬学部, 助教授 (30152507)
|
キーワード | 触媒的不斉反応 / 脱プロトン化反応 / リチウム水素変換反応 / 不斉アルキル化反応 / α-アルキルケトン / リチウムプロミド |
研究概要 |
1.触媒的不斉脱プロトン化反応 触媒量の含フッ素キラルアミンと過剰の三配座型アキラルリチウムアミド間のリチウム水素変換反応に基づく4置換シクロヘキサノンの触媒的不斉脱プロトン化反応の検討を行った。触媒量のキラルアミン(0.3当量)、アキラルリチウムアミド(2.4当量)を用い、THF中不斉反応を試みたが化学収率、不斉収率共に量論反応の結果に比べ著しく低い結果に終わった。リチウムアミド、アミン、リチウムエノラートの会合状態を変化させ所望の生成物を与える会合種の存在比率を高めるため添加剤を種々検討したところ、HMPAを2.4当量DABCOを1.2当量添加することで化学収率、不斉収率共に劇的に向上し量論反応に匹敵する結果(79%ee、83%収率)が得られ、リチウム水素交換反応による触媒的不斉説プロトン化反応の実現に初めて成功した。 2.触媒的不斉アルキル化反応 アキラルリチウムエノラートの不斉アルキル化反応は、当教室により開発された四配座型キラルアミンにより反応加速され、リチウムプロミド存在下極めて高い不斉収率で所望のαアルキルケトンを与えることを既に報告している。このキラルアミンを触媒量に減らすと反応はわずかしか進行しない。これは副生する過剰のリチウムプロミドが反応抑制の原因と考え、その捕捉剤としてアキラルジアミンであるTMEDAを反応系に共存させたところ、触媒反応は進行し高い不斉収率で所望の生成物を得ることに初めて成功した。 以上のように新規な不斉触媒反応の方法論の開発に成功した。
|