研究課題/領域番号 |
07457520
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富岡 清 京都大学, 薬学部, 教授 (50114575)
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研究分担者 |
長岡 康夫 京都大学, 薬学部, 助手 (90243039)
飯田 彰 京都大学, 薬学部, 助教授 (40202816)
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キーワード | 不斉合成 / 有機銅 / 錯体 / リチウムエノラート / ホスフィン / 配位子 / 触媒 / β-ラクタム |
研究概要 |
本研究では、活性種構造と立体選択性発現との相関を分子レベルで明確化し、新しい不斉反応の設計の可能性を開拓しようとするものである。従って、活性種構造を有機化学的、物理化学的かつ計算化学的に決定して、その立体選択的反応経路を定性的かつ定量的に明かとする。次いで、新しい設計方法論を求め、概念的に新規な不斉反応の創製を試みるものである。 有機銅反応剤の不斉化配位子として開発を進めているアミドホスフィンの必須構造要因であるホスフィン部の確認を行った。即ち、ホスフィン部をスルフィド、アミン、エーテルに置換した各配位子を合成して選択性の発現を検討した。その結果、ホスフィン部が必須な配位部位であることが確認できた。 ナフチルイミンを基質として反応点の選択制御の構造要因を検討した。即ち、アルキルイミンだと共役付加、また芳香族イミンだと1,2-付加が選択的に進行するこれらの反応の選択性決定要因をそれらの立体配座解析ならびに理論計算化学によって明確にした。得られた構造要因からより高い立体及び位置選択性を発現し得るイミン置換基を検索する計画である。 更に、キラル配位子-反応剤-リチウムアミドからなる三成分錯体が高い反応性と立体化学制御機能を発現することを見出した。β-ラクタムの実用的な不斉触媒反応に展開する計画である。 本年度から研究拠点を阪大から京大に移したが、院生の多くも転学し、また優秀なスタッフにも恵まれたので、今後の一層の進展を期待している。
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