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1996 年度 実績報告書

皮膚拡散モデル解析に基づく新規経皮吸収促進法の設計理論の確立

研究課題

研究課題/領域番号 07457529
研究機関京都大学

研究代表者

橋田 充  京都大学, 薬学部, 教授 (20135594)

研究分担者 西川 元也  京都大学, 薬学部, 助手 (40273437)
高倉 喜信  京都大学, 薬学部, 助教授 (30171432)
キーワード経皮吸収 / 経皮治療システム / 吸収促進剤 / プロドラッグ / 皮膚拡散モデル / 皮膚透過性 / 物理化学的特性 / acyclovir
研究概要

近年、コントロールドリリース型DDSとして経皮治療システム(TTS)への評価の高まりと共に、多くの難吸収性薬物の吸収促進を目的として、経皮吸収促進剤やプロドラッグ修飾法の開発などのアプローチが、基礎および応用の両面から活発に進められている。しかし、これらの大部分は試行錯誤的に進められ、吸収とその促進を総合的に議論するための学問を欠いていたため、促進効果も不十分であり、in vitroとin vivo間の違いや種差あるいは基礎検討から処方設計への展開時のギャップ等、製剤設計上の隘路の克服を可能とする設計理論も構築されていない。そこで本研究では、皮膚拡散モデル解析を基盤とし、プロドラッグ化修飾と、皮膚透過特性を修飾する吸収促進法を合理的に組み合わせることによって成立する新しい吸収促進法の設計理論を構築することを試みた。昨年度は、既に確立している皮膚拡散モデルにより吸収促進が可能と予想されたacyclovirを対象に種々の脂肪酸エステル型のプロドラッグを合成し、プロドラッグ化の効果を明らかにすると共に、吸収促進剤との併用によりプロドラッグの吸収が有意に改善されることを見い出した。そこで本年度は、プロドラッグから親薬物への変換速度の影響を明らかにする目的で、同程度の脂溶性を持ちながらエステラーゼによる代謝速度の異なる3種のプロドラッグを新たに合成し、単独あるいは吸収促進剤併用時の皮膚透過性を検討した。さらに、代謝過程を組み込んだ新規皮膚拡散モデルを構築し、得られたデータを解析した結果、変換速度の速いプロドラッグほど吸収促進剤により皮膚透過性が改善されることが明らかとなった。以上、本研究では、プロドラッグ化修飾と吸収促進法との組み合わせによる薬物の皮膚透過性改善のアプローチを合理的に設計するための指針を確立することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Bando: "Thoretical design of prodrug-enhancer combination based on a skin diffusion model : Prediction of permeation of acyclovir prodrugs treated with 1-geranylazacycloheptan-2-one." Pharm.Res.13(3). 427-432 (1996)

  • [文献書誌] H.Bando: "Analysis of in vitro skin penetration of acyclovir prodrugs based on a diffusion model with a metabolic process." Int.J.Pharm.135(1,2). 91-102 (1996)

  • [文献書誌] H.Bando: "In vivo skin penetration enhancement of acyclovir by theoretical design of prodrug-enhancer combination." Int.J.Pharm.145(1,2). 103-113 (1996)

  • [文献書誌] H.Bando: "Evaluation of in vivo acyclovir prodrug penetration and metabolism through rat skin based on a diffusion/bioconversion medel." Pharm.Res.14(1). 56-62 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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