研究課題/領域番号 |
07457548
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90164798)
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研究分担者 |
森崎 尚子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00092354)
白井 隆一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80183838)
岩崎 成夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00013326)
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キーワード | フタルイミド / 腫瘍壊死因子 / 細胞種 / 光学異性体 / 医薬品化学 / 生物応答調節剤 |
研究概要 |
フェニルフタルイミド骨格を有するTNF-α生産調節剤を各種デザインし合成した。新たに合成した約100種の類縁化合物につき、以下の4種の検定系にてTNF-α生産調節活性を評価した。すなわち、ヒト白血病細胞株HL-60の系と同じくTHP-1細胞の系、各々の細胞系に対して刺激剤にフォルボールエステルTPAを用いた系とオカダ酸(OA)を用いた系の系4種である。 その結果、リ-ドとなるサリドマイドを含めてすべての光学不活性な化合物については細胞種並びに刺激剤に依存的な2方向性のTNF-α生産調節活性を示すことを見いだした。すなわち、HL-60細胞の系においては、刺激剤にTPAを用いた時にはTNF-αの生産量を増加させ、OAを用いた時にはこれを抑制する。一方、THP01細胞の系では、刺激剤の種類にかかわらずTNF-αの生産は抑制される。 この2方向性TNF-α生産調節活性の分離を試み、光学活性体によって分離に成功した。すなわち、大旨の傾向としてS-体はTNF-α生産増強活性を示し、R-体は生産抑制活性のみを示した。 以上の結果を元に更なる構造展開を行い、優れた、特異的な、TNF-αの生産抑制活性のみを有する特異的阻害剤、(R)-FPTP、(R)-FPTN、(R)-FPTHを創製することができた。 分子機構として、TNF-αの生産増強にかかわる標的分子と、生産阻害にかかわる標的分子の2種を想定し、これをキャラクタライズするためのプローブ・アフィニティーゲルをデザインし、合成した。これを用いての標的分子の探索を展開している。
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