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1997 年度 実績報告書

フタルイミド系新規TNF(腫瘍壊死因子)産生調節剤の創製

研究課題

研究課題/領域番号 07457548
研究機関東京大学

研究代表者

橋本 祐一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)

研究分担者 森崎 尚子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00092354)
白井 隆一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80183838)
キーワード腫瘍壊死因子 / フタルイミド / サイトカイン / サリドマイド / 細胞種 / 2方向性調節 / 光学活性依存性 / 生物学的応答調節剤
研究概要

サリドマイドのTNF-α生産調節作用を指標としてより活性に優れる新規生物応答調節剤として、各種フタルイミド誘導体をデザインし、合成した。その中に、サリドマイドにはるかに優れたTNF-α生産調節活性を有するものを見いだし、その構造活性相関を解析した。フタロイル環へ4つのフッ素を導入することが活性発現に要する薬用量を大きく低下させ得ることを見いだし、本構造変換を幅広く行った。
得られたフタルイミド系化合物はいずれもサリドマイドと同様、2方向性のTNF-α生産調節活性を持つものであり、TNF-αの生産抑制と促進各々における平面構造上の横造活性相関は酷似していたが、特に光学活性が2方向性に大きく関与していることが構造活性相関から見てとれた。これを元に更なる構造展開を図り、2方向性を完全に分離すること、すなわち、純粋にTNF-αの生産抑制作用のみを示す化合物と、純粋にTNF-αの生産促進作用のみを示す化合物各々を創製することに成功した。
ベンジルフタルイミド系化合物においては、S-体がTNF-α生産促進作用を示し、R-体は生産抑制作用を示すという一般則を引き出すことができた。これらの化合物をアフィニティゲルへと展開し、当初想定していた複数種の薬物受容体の候補蛋白として、S-体にのみ結合するもの1種、R-体のみに結合するもの2種、両異性体に共通に結合するもの2種の存在を確認することができた。
分子作用機構解析の一環としてTNF-α mRNA量に及ぽす影響を解析しつつあるが、不思議なことに、TNF-αの生産抑制系でも促進系でも、いずれの場合にもmRNA量は増加していることを示す結果が得られつつある。一方、これらの化合物は、膜結合型TNF-α前駆体のプロテアーゼによる成熟TNF-αの放出過程には効果を示さなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宮地弘幸, 我妻昭彦, 橋本祐一: "新しい生物学式応答調節剤:TNF-α産生調節活性を持つフタルイミド誘導体" 薬学雑誌. 116・2. 91-104 (1997)

  • [文献書誌] H.Miyachiら: "Novel biological response modifiers : Phthalimides with tumor necrosis 〜." J.Med.Chem.40・18. 2858-2865 (1997)

  • [文献書誌] H.Miyachiら: "Tumor necrosis factor-alpha production-inhibiting activity of 〜." Bioorg.Med.Chem.5・11. 2095-2102 (1997)

  • [文献書誌] 橋本 祐一: "サリドマイドによる TNF-αの産生抑制" 臨床免疫. 29・11. 1403-1408 (1997)

  • [文献書誌] H.Miyachiら: "Potent novel nonsteroidal androgen antagonists with α 〜." Bioorg.Med.Chem.Lett.7・11. 1483-1488 (1997)

  • [文献書誌] H.Umemiyaら: "Action mechanism of retinoid-synergistic dibenzodiazepines." Biochem.Biophys.Res.Commun.233・1. 121-125 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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