研究概要 |
本研究は,医療の成果を評価するための方法論のひとつとして,診察に対する患者の満足度を測定するための標準的な手法を確立することを目的として,平成7年度から平成8年度にかけての2年間で行うものである。 初年度である平成7年度は,1978年にWolfらによって開発されたMISS(Medical Interview Satisfaction Scale)が診察に対する患者の満足度を測定するための標準的な手法として採用できるか否かを検討することを目的として検討を行った。具体的には,まず研究者らがMISSを翻訳して日本語版MISSを作成し,これを用いて研究分担者の柏井の所属する自治医科大学附属大宮医療センターに来院した初診患者,再初診患者200名を対象に調査を実施し,回答を得た。その後,回答から日本語版MISSの信頼性,妥当性を検証し,日本語版MISSが診察に対する患者の満足度を測定するための手法として,また医療を評価するためのひとつの手法として採用できることが明らかとなった。同時に,診察に対する患者の満足度は,患者を診察する医師に大きく左右されることが示唆された。 平成8年度は,これらを踏まえて,複数施設において同様の調査を行い,日本語版MISSの信頼性,妥当性をさらに検証するとともに,診察に対する患者の満足度は,施設に左右される部分が大きいのか,医師に左右される部分が大きいのかを明らかにする予定である。
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