エリスロポエチン(Epo)遺伝子のプロモーターおよび下流領域にはHNF-4結合モチーフが、また下流領域にはHIF-1結合モチーフが存在する。われわれは両者について点変異モチーフをもつ組み合わせを作製し、ルシフェラーゼ・レポーターアッセイにより低酸素による誘導を検討した。その結果、両者はco-operativeに作用しているデータを得たので、現在両者の蛋白-蛋白相互作用があるかを明らかにするため発現ベクターを構築し、準備を進めている。またdifferential screeningにより、低酸素において誘導される一個のクローンを得た。これはDNAシーケンスによるとオープンリーディングフレームが5千ぐらいのポリペプチドであるが、コアクチベータ-に特異的なモチーフをもっていることが判明した。現在このクローンが全長であるか、これとDNA結合性転写因子あるいは基本転写因子との間に相互作用があるかなど追求中である。更に低酸素シグナルを共有すると考えられる金属により特異的にリン酸化を受けるクローンを得た。これはストップコドンを多くもち、RNAとして働くのではないかと考えている。この変異解析により特定のドメインを同定することができた。現在Hep3B細胞以外の正常細胞などにも存在するか検討中である。
|