研究課題/領域番号 |
07457559
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
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研究分担者 |
宮森 勇 金沢大学, 医学部, 助教授 (40142278)
原田 和博 自治医科大学, 医学部, 助手 (70245059)
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キーワード | 免疫抑制薬 / シクロスポリン / 腎障害 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / シノルファン |
研究概要 |
新しい免疫抑制薬の出現により臓器移植の治療成績は飛躍的に向上した。しかし、これらの薬物を反復投与した時に多くの患者で副作用が発現し、投与を中止せざるを得ない場合がある。これらの副作用のうちで腎傷害が最も重篤なものであるが、この副作用を防止する有効な方法はまだない。我々はこれまでに、sinorphan[心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)分解酵素阻害薬]がcyclosporin Aやtacrolimus(ともに免疫抑制薬)による腎障害を防止することを明らかにした。平成7年度には次の1), 2)について検討した。 1)cyclosporin Aの免疫抑制効果におよぼすsinorphanの影響:ラット脾臓を用いたT細胞浮遊液を調整し、canavalin A刺激に対するinterleikin 2の反応を指標とした。その結果、sinorphanはcyclosporin Aの免疫抑制効果に影響をおよぼさないことが明らかになった。 2)sinorphanの薬物動態におよぼすcyclosporin Aの影響:cyclosporin Aを反復投与したラットを用いて、sinorphanの薬物動態が変化するか否かを検討した。その結果、sinorphanの薬物動態はcyclosporin Aによって影響をうけないことが明らかになった。今後さらに基礎研究を続けるとともに臨床研究も行い、これらの研究によって得られる成績を基にして移植患者における安全な薬物治療法の確立に寄与するつもりである。
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