研究課題/領域番号 |
07457561
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
保崎 清人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80013944)
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研究分担者 |
西田 賢司 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20242183)
芝 紀代子 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00013988)
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キーワード | 尿蛋白 / 薬剤性腎障害 / キヤピラリー電気泳動 / 早期発見 |
研究概要 |
本研究の主力機器であるキヤピラリー電気泳動装置 BIOFOCUS 3000(日本バイオラッド)は昨年8月に導入された。直ちに尿蛋白解析への応用に関する基礎的研究を開始した。まずキヤピラリー電気泳動法による尿蛋白分析法の基本法をゲル濾過カラムによる分子量分画で行うこととし、24μm×12cmのノンコーディング・キヤピラリーを用いる方法を中心に検討した。その結果、尿中に含まれる220〜340nmに吸収をもつ蛋白以外の物質を分析に先立ち除去する必要があった。そのための前処理操作を検討した結果、尿を凍結乾燥後、ウルトラフィルターで干渉物質を除去する方法が最も適切であることが判明し、これを前処理法とした。ついで、キヤピラリー電気泳動法の各種基本的条件を種々検討の結果、ほぼ満足すべき標準的操作法を確立することが出来た。この方法によれば健常人の尿を用いて、約10本の蛋白バンドが観察され、これら蛋白についてその同定を行い、その蛋白種を確認した。 本分析法の再現性もほぼ満足すべき結果が得られ、微量蛋白の定量に十分利用できることを確認された。これらの研究成果については、明年度の日本電気泳動学会あるいは日本臨床病理学会等で、発表する予定で現在準備中である。 またキヤピラリー電気泳動装置を用い、ゲル濾過による分子量分画法だけでなく、等電点分画法による分析についても、同様にその基礎的検討を行っている。 現在、これら成果により利用が可能と確認されたキヤピラリー電気泳動法による蛋白分析法とSDS-PAGE法を併用し、賢障害をきたす可能性のある薬剤として、まずインターフェロンおよびアミノグリコシド系の抗生物質をとりあげ、その投与患者の投与前および後の尿蛋白の解析結果の比較を行い、尿蛋白解析による腎障害の早期発見への手がかりを得るための実験を開始したところである。
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