研究課題/領域番号 |
07457562
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡田 正彦 新潟大学, 医学部, 教授 (30018915)
|
研究分担者 |
稲野 浩一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (10262445)
三井田 孝 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (80260545)
松戸 隆之 新潟大学, 医学部, 助教授 (80209577)
|
キーワード | 予防医学 / 動脈硬化症 / 血管内皮細胞 / マクロファージ / 細胞接着分子 / 細胞内情報伝達 / 酸化LDL / サイトカイン |
研究概要 |
本研究の目的は、動脈硬化症初期病変の発生メカニズムにおける各種接着分子の役割を分子生物学的、システム工学的に解明することである。平成8年度は、主に3つの問題について実験とデータの解析を行なった。第1は、単球/マクロファージと血管内皮細胞との関係についてである。従来は前者をアイソトープで標識し、接着した細胞数をカウントするという方法がとられていた。そこで本研究では、化学発光物質のアクリジニュムエステルを用いて非RIで接着細胞数を定量化する方法を検討し、再現性の高い実験手順を確立した。この方法により、まず0.0625〜64ng/mlの濃度のIL-1を4時間作用させて、マクロファージの接着率の違いを調べた。その結果、10ng/mlで接着率が最大(14.3%)であった。次に、TNFαについても同様の検討を行ない、ほぼ同じ結果を得た。また、IL-1、TNFαの両者とも、0.5-1.0ng/mlの濃度でも接着率が極大値を示した。この現象の意味は現在のところ不明であり、次年度の検討課題としたい。一方、IFNγでは、このような傾向は認められず、濃度が高い程、接着率も大きかった。第2は、膜蛋白の検索である。IL-1による刺激前後の膜蛋白を常法に従って分離し、SDS-PAGEにより分析した。その結果、刺激前後で有意に変化する成分は確認できなかった。次年度以降、他の方法でこの問題を再度、検討したいと考えている。第3は、ディファレンシャルディスプレイハイブリダイゼーションによる細胞接着に関わる諸蛋白の解析である。今年度はマクロファージを対象として、10ng/mlのIL-1でそれぞれ1、2、3、4時間刺激した後、mRNAのスクリーニングを行なった。その結果、いくつかのバンドが刺激によって有意に出現することが確認できた。次年度は、ハイブリダイゼーションおよびクローニングを行なう予定である。
|