研究概要 |
1)住宅看護援助事例分析 異なる地域条件の2つの町を対象とし、自治体単位で保健婦の在宅看護援助の全事例を集約し、現状における援助課題等からケース管理として重要な要素・側面を抽出した。そのうち、A町(人口約5,000人)分については以下のとおりであった。保健所及び町保健婦が1年間に実施した家庭訪問援助の全事例は329人で、対象種別,把握経路,訪問目的,援助内容を調べた結果、援助対象者の把握に関わる課題と、保健婦自身及び他のケア提供者からのケアやサービスの質の管理に関わる課題という側面から援助課題が確認でき、これらをケース管理における基礎的な側面として位置づけた。また、高齢者の終末期ケアから考えられるケース管理上の要素についても継続調査中であり、昨年の調査結果に累積して分析していく予定である。 2)地域ケア体制づくり・ケア調整機能分析 今年度は千葉県内の一保健所(1市4町管轄,管内人口約80,000人)における寝たきり老人訪問指導体制づくりの活動経過(昭和60年〜現在)を調べ、寝たきり老人支援に関わる地域ケアの要件と、体制拡充のために保健所が果たした役割及びその方法を整理した。さらに、千葉県内の地域条件の異なる数地域について、スポット的な取り組み事例、関連機関の調整に関わる取り組み事例を収集した。次年度に向けて、これらのデータを集約し、管理方式確立に関わる要因とシステムのあり方についての基礎的な考えを整理する予定である。 3)ケース管理に関わる文献検討 今年度は、受け手側によるケアの評価や受け手側の満足度に関する国内外の文献を中心に収集・整理した。
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