研究課題/領域番号 |
07457570
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
片田 範子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80152677)
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研究分担者 |
中岡 亜紀 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80275320)
高谷 裕紀子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (90264845)
大崎 富士代 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60233087)
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キーワード | がん性疼痛 / 子どもの痛み / 痛み緩和介入 / 痛み緩和の認識 / WHO方式癌性疼痛治療 / 病名告知 |
研究概要 |
目標と方法:今年度は、がんの子どもの痛みに対する看護介入方法の実態を明らかにして、効果的痛み緩和介入方法に必要な要素を抽出することを目標にした。全国300床以上の病院もしくは小児専門病院に勤務するがんの子どものケアの経験のある臨床看護婦/士を対象として、平成7年度に作成した質問紙を用いて調査を行った。調査は、あらかじめ了承の得られた施設の看護婦/士に発送し、無記名郵送法を用いた。データは、統計パッケージSPSSに入力し分析を行っている。 質問紙調査の結果:131施設の622名の臨床看護婦/士から回答が得られた。そのうち、有効回答数は612であった。対象の勤務する病院は、大学病院(40.8%)、小児専門病院(12.1%)、がん専門病院(2.0%)、一般病院(45.1%)であった。対象者の99.3%は女性で平均年齢33.3歳、平均看護婦経験年数11.9年、小児を看護した平均経験年数6.6年であった。調査で明らかになった痛み緩和の実態の概要は、以下の通りである。(1)がんの子どもへの痛み緩和の実態として、72.1%が子どもの痛みは「概ね緩和されている」と回答しているが、「少ししか緩和されていない」と答えた者が20.5%であった。また、末期であっても、「痛みを訴えた時のみ」にしか鎮痛剤を使用しないことがあり(11.1%)、痛み緩和介入は十分とは言い切れない。(2)「WHO方式癌性疼痛治療法」に関して知識を持っている者は24.1%であるが、勤務している施設で実際に用いていると回答した人は6.5%であった。また、病棟で麻薬使用のプロトコールが明確になっていると回答した人も15.2%と少ない。現在、さらに痛み緩和の看護介入に関する実態を仮説に基づき分析中で、継続して平成9年度は、効果的な看護介入に向けての検討を行っていく。
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