研究課題/領域番号 |
07457582
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
寺田 忠史 金沢大学, 医学部, 助教授 (30188677)
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研究分担者 |
細 正博 金沢大学, 医学部, 講師 (20219182)
太田 哲生 金沢大学, 医学部, 講師 (40194170)
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キーワード | 膵消化酵素 / 消化管 / 免疫組織化学 / in sitn hybridization / 酵素活性 / 消化器癌 / mRNA / カテプシンB |
研究概要 |
ヒト肝内胆管発生過程における膵関連消化酵素の発現を免疫組織化学的に検討し、胎児肝内胆管に膵消化酵素の発現があることを示した。また、ヒト肝内管癌と肝細胞癌を、免疫組織化学的に検討した結果、肝内胆管癌に膵消化酵素とカテブシンBの発現を認めたが、肝細胞癌では認めなかった。さて、ヒト消化管における膵関連消化酵素を免疫組織化学的に検討した。その結果、正常消化管粘膜では、胃、十二指腸、膵管、胆嚢、肝外胆管、に膵関連消化酵素の発現を認めたが、食堂、小腸、大腸には認めなかった。従って、胃、十二指腸、膵管、胆嚢、肝外胆管には、生理的に膵関連消化酵素が存在することが示唆された。病的組織では、食堂癌、胃腺腫、胃癌、膵導管癌、胆嚢腺腫、胆嚢癌、肝外胆管癌、大腸腺腫、大腸癌において、20-70%の頻度で、膵関連酵素タンパクの発現がみられた。以上より、腫瘍化すると、消化管粘膜は膵関連消化酵素の発現が存続する、または新たに発現が出現すると考えられた。正常胃粘膜を、in situ hybridization法で検討すると、膵αアミラーゼのmRNAのシグナルが腺上皮に認められたが、正常大腸では陰性であった。また、生化学的に、膵関連消化酵素の活性を検討すると、正常胃、胆嚢で活性があり、正常大腸で活性が無いか低かった。従って、in situ hybridization法と酵素活性の測定により、免疫組織化学の妥当性を確認でき、これら膵消化酵素の免疫反応性のある消化管組織は、膵消化酵素のmRNAを持ち、酵素活性がみられることが示唆された。
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