研究課題/領域番号 |
07457588
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
玉置 憲一 東海大学, 医学部, 教授 (50055860)
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研究分担者 |
山崎 等 東海大学, 医学部, 講師 (20191273)
中村 雅登 東海大学, 医学部, 講師 (00164335)
上山 義人 東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
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キーワード | 脳腫瘍 / 抗癌剤多剤耐性 / MDR1遺伝子 / 血液脳関門 / 分子病理学 / 多剤耐性克服 / トランスジェニックマウス / 治療実験 |
研究概要 |
グリオーマの抗癌剤耐性には間質血管内皮に発現するMDR1遺伝子/P-Gpおよびそれによる血液脳関門(Blood Brain Barrier,BBB)様機能が密接に関与していると考えられている。本研究では、エンドセリンプロモーターで発現誘導したヒトMDR1遺伝子をマウスに遺伝子導入し、マウス毛細血管にヒトMDR1遺伝子を発現させたトランスジェニックマウスを作出、SCIDマウス化したヒトMDR1トランスジェニックSCIDマウスにヒトグリオーマXenograftを皮下移植し、抗癌剤に対するin vivo抗癌剤感受性を評価する。本研究の目的は、マウス皮下血管に発現させたヒト型P-GpによるBBB様の機能を利用したヒトグリオーマXenograftのin vivoの抗癌剤実験治療系を開発し、ヒトグリオーマ抗癌剤耐性に対するP-Gpの関与を客観的かつ能動的に明らかにすることにある。 平成9年度は以下の研究を行った。1.MDR1トランスジェニックSCIDマウスの作出:マウスエンドセリンプロモーターにヒトMDR1遺伝子cDNAを結合したDNA分子mEND-MDR1を胚細胞操作によりBALB/cマウスに遺伝子導入しトランスジェニックマウスを作出し、さらに交配によってSCID化した(MDR1-SCID)。マウス皮下結合組織毛細血管におけるヒト型MDR1遺伝子/PGpを発現、産生をRT-PCR法および免疫組織化学的手法により確認した。2.ヒトグリオーマXenograftのin vivo抗癌剤感受性の検討:トランスジェニックマウスMDR1-SCID,MDR1-nuにヒトグリオーマXenograftを皮下移植し、臨床治療相当量の抗癌剤でin vivo化学療法を行い、抗癌剤投与後14日の相対腫瘍増殖率を算定し、ヒトグリオーマXenograftの抗癌剤の感受性を現在解析中である。本実験で、皮下血管のヒトPGp発現がBBB様に機能し、Xenograftが抗癌剤耐性を示すかを評価する予定である。
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