本研究は、潜伏EBV活性化にスイッチとして働くBZLF1遺伝子の発現を制御する細胞因子を同定し、ウイルス活性化機序の解明に資することを目的とする。 今年度は、BZLF1遺伝子の発現に正、負いずれの制御因子が関与しているのかについて、解析した。まずBZLF1遺伝子プロモーターの抗免疫グロブリン(Ig)抗体応答配列27塩基部分を含む40塩基オリゴマーを合成した。次いで、抗Ig処理および未処理Akata細胞よりの核抽出液を調整し、このオリゴマーを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより部分精製を行った。得られた核抽出物について40塩基オリゴヌクレオチドをプローブとしてゲルシフトアッセイを行った。その結果、抗Ig処理、未処理いずれの抽出物からもシフトするバンドが得られた。現在それぞれのバンドの特異性について検討中である。
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