研究課題/領域番号 |
07457593
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 愛知医科大学 (1996) 名古屋大学 (1995) |
研究代表者 |
各務 伸一 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10115545)
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研究分担者 |
奥村 明彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (70288512)
石川 哲也 愛知医科大学, 医学部, 助手 (10288508)
岩田 和郎 名古屋大学, 医学部, 医員
吉岡 健太郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (60201852)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | B型慢性肝炎 / 細胞障害性Tリンパ球 / HLA拘束性 / 急性増悪 / HBVコア領域 / GST融合蛋白 / アミノ酸変異 / e2エピトープ |
研究概要 |
我々は急性増悪が認められた慢性肝炎(CH)5例(HLA-A2を有する者3例、有しない者2例)を対象として、HBV core領域中央部(aa55-155)を急性増悪の前後でシークエンスし、その経時的変化の割合をSR(substitution rate)を算出して解析した。その結果SRは急性増悪前に比べて急性増悪中に上昇していた。また、急性増悪後にはSRは再び低下する傾向が認められた。HLAとの関連について、HLA-A2を有する者と有しない者の2者間で、急性増悪中のHLA-A2結合モチーフ領域内のSRの変化を比べたが、両者間で有意を差は認めず、HLA-A2結合モチーフ領域外の変化が両者を通じて多い傾向が認められた。HLA-A2結合モチーフのアンカーポジションの変化は5例中1例において1カ所(aa115、V→GG)認められたのみであったが、この1例においては急性増悪中の末梢血リンパ球からAA107-115のペプチドに対して14.5%の細胞障害活性を示すCTLが誘導された。次に我々は種々の変異や欠失を含んだHBV core領域中央部(aa55-140)をGST融合蛋白として発現し、ウエスタンブロット法を用いて患者血清との反応を調べた。e抗原+抗体-CAH5例(I群)、e抗原-抗体+ASC5例(II群)、e抗原-抗体+CAH5例(III群)、non-Bコントロール3例についてGST融合蛋白と血清との反応を調べたところ、e1エピトープが途中から欠失している変異株(Δe1)に対してはII群とIII群の全例が反応したがe2エピトープ欠失変異株(Δe2)に対してはII群では全例が反応したのに対しIII群では1例のみに反応がみられた。III群の1例でのe2エピトープ内にアミノ酸変異(aa130,P→TorS)を持つ変異株に対する反応は野生株に対するより明らかに弱かった。以上のことからe2エピトープに対する抗体反応は肝炎の病態と関連している可能性が示唆された。
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