研究課題/領域番号 |
07457599
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10264780)
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研究分担者 |
尾内 善四郎 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079875)
周藤 文明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20271166)
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キーワード | 再灌流 / 心筋代謝 / 肥大心 / 幼若心 / カルシウムイオン |
研究概要 |
1、生後1週家兎摘出灌流心(ワーキングモード)に対し40分間の灌流遮断後、30分間の再灌流を行い、以下の条件で再灌流時の心収縮能を検討した。 1)遮断前カルシウム濃度1.25mM 再灌流時カルシウム濃度1.25mM 2)1.25mM 2.5mM 3)2.5mM 2.5mM 4)1.25mM 1.25mM+SITS 5)1.25mM+SITS 1.25mM+SITS 再灌流時カルシウム濃度を増加させると心機能の改善を認めた。CI/HCO_3交換系を抑制するSITSのは、遮断前に投与すると再灌流時の心機能を強く抑制したが、再灌流時の投与では再灌流早期の心機能を改善した。現在Na/H交換系を抑制するamilorideの再灌流時心機能に与える影響を検討している。 2、生後1週家兎に腹部大動脈-下大動脈シャントを作成し、容量負荷、右質圧負荷心の作成。術後1週間目に心臓を取り出し両心灌流を確立するため、血流計を用いて種々のpreload、afterloadの設定を試みている。同時に同システムがNMR装置に適合するように改良を加える。 3、未熟灌流心の虚血後再灌流時の心機能に対する灌流液中カルシウム濃度の影響は、報告されている成熟心に対するものと明かに異なっていた。これは、未熟心筋細胞のNa/H交換系やCI/HCO_3交換系の動態が異なっているという当初の仮説を指示しているものと考える。 4、両心室灌流摘出心モデルは、左心系への灌流液は左房、左室から大動脈を通して静水圧afterloadに拍出される。右心系には右房、右室から肺動脈を通して静水圧afterloadに拍出される。各心房、心室へのpreload、afterloadは自由に変化させることができた。幼若家兎に対するシャントモデルは処理後1週間では心重量/体重比において対象と異なっていたが、顕著な肥大を作成するには至っていない。負荷の生化学的指標を合わせて検討する必要があろう。
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