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1995 年度 実績報告書

唾液線における血小板活性化因子(PAF)受容体発現とその機能

研究課題

研究課題/領域番号 07457611
研究機関広島大学

研究代表者

土肥 敏博  広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)

研究分担者 赤川 安正  広島大学, 歯学部, 教授 (00127599)
森田 克也  広島大学, 歯学部, 講師 (10116684)
北山 滋雄  広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
キーワード血小板活性化因子 / PAF / PAF受容体 / 唾液腺 / 顎下腺 / ムチン / Na^+, K^+-ATPase
研究概要

唾液腺、特に顎下腺は自律神経刺激に応答して糖蛋白である高分子ムチンを分泌し、潤滑、緩衝、粘膜保護等による非免疫的局所防衛に重要な役割を演じ、更に義歯装着者においては義歯の維持による口腔機能の回復に寄与している。またこの分泌反応はいくつかの因子によっても調節されている。著者はこれまでPAFは外分泌反応にも関与する可能性を示唆し、更にPAFの唾液腺における生理的役割を明らかにする目的で、唾液腺におけるPAF生合成調節機構およびPAFの顎下腺ムチン分泌に関わる細胞内情報伝達機構について検索し、以下の結果を得た。
1)モルモット顎下線においてAChによりPAFの産生は促進され、medium中に一部遊離された。一方、イヌ顎下線においてはPAFのmedium中への遊離は認められなかった。
2)PAFはモルモット顎下腺からのムチン分泌を促進した。この分泌はPAF受容体特異的拮抗薬BN50739および細胞外液Ca^<2+>の除去により減少した。
3)PAFはモルモット顎下腺細胞内inositol 1,4,5-trisphosphate濃度を上昇させ、細胞内遊離Ca^<2+>濃度を軽度上昇させた。
4)RT-PCR法によりPAF受容体mRNAの発現がモルモット耳下腺、顎下腺において認められたが、イヌでは認められなかった。イヌ副腎髄質クロマフィン細胞にはmRNAの発現が認められた。
5)PAFはイヌ顎下腺細胞膜標本においてNa^+, K^+-ATPase活性を阻害した。この阻害効果はK^+およびBN50739により拮抗されなかった。Na^+, K^+-ATPase阻害薬ouabainによりムチン分泌が促進された。
以上、顎下腺にはPAF受容体が存在し、顎下腺において産生されたPAFは一部細胞外へ遊離し細胞膜PAF受容体-phosphatidylinositol代謝回転を介してムチン分泌に関与する可能性が示唆された。さらにPAFは細胞内において細胞膜Na^+, K^+-ATPase活性を阻害し、細胞内情報伝達物質として機能する可能性も示唆された。本研究の成果は、唾液腺におけるPAF受容体の唾液腺分泌機能に関わる細胞内情報伝達機構の解明に寄与するものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 板谷和徳: "唾液腺における血小板活性化因子(PAF)生合成調節機構およびその役割に関する研究" 広大歯誌. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] T. Dohi et al.: "Platelet-Activating Factor synthesis and its role in salivary glands(in Platelet-Activating Factor and related lipid mediators in health and disease)." Plenum Press N. Y. (eds by Nigam G. et al. )(in press),

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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