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1995 年度 実績報告書

超効率不斉制御系の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 07457614
研究種目

一般研究(B)

研究機関熊本大学

研究代表者

國枝 武久  熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)

研究分担者 石塚 忠男  熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
キーワード2-オキサゾロン / 2-イミダゾロン / 2-オキサゾリジノン / 2-イミダゾリジノン / 2-アミノアルコール / 1、2-ジアミン / 不斉補助剤 / 光学分割
研究概要

2-オキサゾロンとアントラセンとの[4+2]環化付加体である4,5-(9,10-dihydroanthraceno)oxazolidin-2-one(DHAOx)よりもビシクロ環の橋頭位にメチル基を持つ4,5-(9,10-dihydro-9,10-dimethylanthraceno)oxazolidin-2-one(DMAOx)のほうがより高い不斉制御能を持つという知見から、ヘキサメチルシクロペンタジエンをもちいて4,5-[3,5-(1,2,3,4,4,5-hexamethy1-1,4-cyclopentano)]oxazolidin-2-one(HMCOx)を合成し、橋頭メチル基の効果をアルキル化・Diels-Alder反応において調べたところ、DMAOxと同様にほとんど完全なジアステレオ選択性を示すことを明らかにすることが出来た。さらに、2-イミダゾロンとアントラセン類から三環性2-イミダゾリジノン類の合成を検討し、両対掌体を光学分割法により得ることに成功した。若干の検討ではあるが、橋頭メチル基のある4,5-(9,10-dihydro-9,10-dimethylanthraceno)imidazolidin-2-one(DMAIm)が4,5-(9,10-dihydroanthraceno)imidazolidin-2-one(DHAIm)より不斉制御能が高いというデータを得ている。さらに、DHAImにおいては、窒素原子上の置換基をメチル基からp-トルエンスルホニル基に変えることによりジアステレオ選択性が向上するという興味深い知見を得ており、不斉制御を立体的嵩高さだけでなく窒素原子上の置換基により行うという新しい課題をも見いだすことが出来た。
三環性2-オキサゾリジノン類を開環することにより得られるビシクロ骨格系アミノアルコール類においては、ZnEt_2によるアルデヒドのエチル化反応をエナンチオ選択性高く触媒するばかりでなく、N,N-ジメチル体とN-スルホニル体で選択性が完全に逆転するという非常に興味深い現象を見いだすことができ、さらにN-スルホニル体のLi塩はメソ型環状酸無水物のジアステレオ選択的開環に効果的であり、酵素や微生物を用いても到達困難であった高選択性を純粋に化学的に実現することが出来た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 石塚忠男: "高性能2-オキサゾリジノン系不斉補助剤の開発" 有機合成化学協会誌. 53. 95-103 (1995)

  • [文献書誌] H.Imado: "Highly Effective Diastereodifferentiation of meso-Dicarboxylic Anhydrides Using Sterically Congested Chiral N-Sulfonylaminoalcohols." Tetrahedron Lett.36. 931-934 (1995)

  • [文献書誌] 石塚忠男: "2-オキサゾリジノンを構築材とする2-アミノアルコール類のキラル合成" 薬学雑誌. 115. 460-475 (1995)

  • [文献書誌] T.Ishizuka: "Synthetic Application of Chiral 4-Methoxy-2-oxazolidinone Synthons to 2-Amino Alcohols of Biological Interest." Heterocycles. 42. 837-848 (1996)

  • [文献書誌] 石塚忠男: "2-オキサゾロンを反応素子とする不斉反応系の構築" 薬学研究の進歩-研究成果報告書-. 12. 1-11 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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