研究課題/領域番号 |
07457616
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
網野 信行 大阪大学, 医学部, 教授 (60028694)
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研究分担者 |
巽 圭太 大阪大学, 医学部, 助手 (00222109)
高野 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (00263236)
柏井 卓 大阪大学, 医学部, 助手 (00252685)
多田 尚人 大阪大学, 医学部, 講師 (80263242)
日高 洋 大阪大学, 医学部, 講師 (30243231)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 出産後発症 / 発症予測 / 発病予防 / 橋本病 / バセドウ病 / 慢性関節リュウマチ |
研究概要 |
1.出産後自己免疫性甲状腺症候群の大規模スクリーニン:大阪府下の主要な産科12施設と協力したスクリーニングによって、13023例の初期妊婦中958例(6.4%)の潜在性自己免疫性甲状腺炎と126例(0.97%)の顕性機能異常例を発見した。潜在性自己免疫性甲状腺炎のうち出産後機能異常を発症したものも発見されたが、出産後のフォローアップが不可能であった例も多く、出産後のフォローアップ体制の検討が今後の課題である。 2.出産後慢性関節リウマチ発症の疫学的検討:慢性関節リウマチ患者にたいするレトロスペクティブな研究によって、出産の経験ある慢性関節リウマチ患者における発症時期は出産後2年以内に集中しており(27%)、慢性関節リウマチのような全身性の自己免疫疾患においても出産が発症のつよい引き金となりうる事が確認された。 3.出産後自己免疫性肝炎、出産後自己免疫性心筋炎診断法の開発 a)抗チトクロームP450自己抗体検出系の開発:ヒトチトクロームP450 IID6、IIC9遺伝子を酵母に組み込み、ヒトリコンビナントチトクロームP450 IID6、IIC9を大量発現させ、そのマイクロゾーム分画を得た。これをプレートに固相化して、患者血清中の抗ヒトチトクロームP450自己抗体検出のためのELISA系をセットアップした。さらに、系の基礎検討をおこなったが、健常者血清で酵母の構成蛋白に対する抗体が高率に検出されるために疑陽性が多いことが分かった。そのため、リコンビナントチトクロームP450の精製を進めた系をセットアップ中である。 b)抗心筋ミオシン自己抗体検出系の開発:ヒト心筋ミオシン重鎖遺伝子の一部を大腸菌に発現させたリコンビナント蛋白を大量発現させた。これをプレートに固相化して、患者血清中の抗ヒト心筋ミオシン自己抗体検出のためのELISA系をセットアップした。さらに心筋ミオシンの全体を得るために重鎖遺伝子の全長をカバーする6クローンを得た。これらのELISA、Western blotでは、産褥心筋症患者の一部に高力価の自己抗体を検出した。しかし、健常者にもミオシン抗体が検出される例が多く、診断特異性をあげるためには、病因的意義のある抗原決定基を調べ、その検出に特化した検出系が必要であると考えられた。
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