1.本年度は米飯を中心にして研究を行った。そのモデルとして各種米の加熱による溶融過程における米飯粒のかたさ、付着性の変化を経時的に測定し、これらの物性面を変化を目安として米の糊化過程を解析し、さらに溶融過程についても検討し、米飯粒の物理的変化を軸に溶融状態の解析を試みた。 その結果、米の種類により、溶融温度がことなることや溶融過程は2つに大別されるのではないかという推論をたて、これを解析中である。 2.圧力釜を使用して、玄米、白米の炊飯による物性変化を糊化度(グルコアミラーゼ)を測定し、比較検討した。加圧下における米の炊飯機構についても検討し、日常危険性のない程度の圧力下で好ましい食味を得ることを明らかにした。 3.モデル実験とあわせて炊飯器を用いて炊飯中における米粒の物理的変化に炊飯液の成分の化学的解析などを加え、糊化過程について検討を試みるとともに、米粒各部位のでんぷん中のアミ-スやアミロペクチンの分子量分布についても測定を始めたので、来年度はデータの御報告ができるのではないかと思う。
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