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1995 年度 実績報告書

新しい栄養化学的方法論を用いる,ビタミンC、Eの機能に関する体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07458005
研究種目

一般研究(B)

研究機関奈良女子大学

研究代表者

小城 勝相  奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10108988)

キーワード脂質過酸化 / ラジカル反応 / ヒドロペルオキシド / 老化
研究概要

抗酸化系ビタミンC、Eの機能を解析するためには、まず、生体内のラジカル反応の評価法の確立する必要がある。この為、光学顕微鏡による組織像と臓器中の脂質ヒドロペルオキシドのレベルを高感度・特異的に測定する方法を開発した。後者についてはクロロホルム-メタノール抽出した脂質画分をナフチルジフェニルホスフィンと反応させ、生成するNDPPオキシドを高速液体クロマトグラフで定量するという方法により、ヒドロペルオキシドの回収率85%以上で、検出限界1pmol、相関係数0.99で定量可能であることが分かった。さらに化学発光検出器を用いる方法も検討中である。
本法をまず、老化の問題に適用した。ここ半世紀に渡り、老化はラジカル反応によって起こるという説があり、その化学的検証を行なうためである。マウスを自然に老化させ、肝臓、心臓、腎臓におけるとヒドロペルオキシドレベルを測定した。これらの臓器においては、5週令と20週令の間で有意にヒドロペルオキシドレベルが上昇し、その後は、80週令に至るまで上昇したままであることが判明した。マウスの寿命は約100週なので、人の1年がマウスの1週に対応する。上記の結果は、臓器ヒドロペルオキシドは成長期に増加しそのままのレベルを維持することを示している。またその上昇率が2倍以内であるので、老化と共に、急速にヒドロペルオキシドが蓄積するというものではなく、長い間一定濃度のヒドロペルオキシドに晒されていることが老化を進めていくことが分かる。一方、脳では老化によるヒドロペルオキシドの増加はないが、脳は成長期以後、細胞分裂しないので酸化的障害が蓄積していくと考えられ、やはり時間項が重要であることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Tokumaru,I.Tsukamoto,H.Iguchi,S.Kojo,: "Specific and sensitive determination of lipid hydroperoxides with chamical derivatization into 1-naphthyldiphenylphosphine oxide and high-performance liquid chromatography" Anal.Chim.Acta. 307. 97-102 (1995)

  • [文献書誌] S.Tokumaru,H.Iguchi,S.Kojo,: "Change of the lipid hydroperoxide level in mouse organs on ageing" Mcch.Ageing Dev.(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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