1.平成7年度に試作した乳児の腰部マネキンに続き、同脚・足部マネキンを試作。両マネキンともに皮膚温については、15℃〜35℃の幅広い環境下で±0.2℃の良好な精度を示した。発汗量については、チューブ圧迫比率及び吐出間隔の双方によって良く制御されるものの、発汗カプセルによる発汗量分布測定の結果、模擬皮膚への吐出水の拡散と保持の両立が困難で、条件によっては、点状発汗にならざるを得ない結果となった。ポンプを増すと共に模擬皮膚のさらなる検討が必要である。 2.マネキンの基礎データとして、幼児5名、乳児2名を対象に気温22℃〜34℃における温熱生理反応測定を実施し、これを当面のマネキン入力値とした。 3.人体各部の皮膚温及び吐出量の制御状況をパソコン画面上に色尺度表示するソフトを開発し、応用研究として乳幼児のおむつ・履物を評価し、極めて良好な結果を得た。 4.マネキンの連結方法については、学童の姿勢変換マネキンを購入し、これを分解・検討、さらに成人の脚・足部レプリカから各種連結方法を試作検討した。いずれの場合も連結部におけるヒーター・チューブの保持・保護が困難で、現状では中空のジャバラを用いた連結にリニアモーターを接続する方法が最も有効との結論を得た。 平成9年度 左右同期リニアモーターを連結した可動式乳幼児発汗マネキンを完成させ、基準実験衣服によって、その顕熱・潜熱移動特性、その動的評価を行い、報告書を作成する予定である。
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