研究概要 |
1)体育授業で適用される学習指導スタイル(teaching style)を観察・分析する道具を開発した。アメリカのM.Mosston,Hurwitz,Gabbard等のモデルに検討を加え,また,これまで進めてきた研究成果をふまえて,「授業場面」「場面のイニシアチブ」「学習形態」「指導行動」の4次元からなる観察システムを開発した。 2)この観察法を適用して,小学校の30の体育授業を観察・分析した。この結果,特に授業場面のイニシアチブと指導行動(のイニシアチブ)の二次元に着目して分析することの意義が認められた。 3)関連研究として,教師の相互作用及びその表現形態が子どもの授業評価に及ぼす影響について研究した。この結果,各種の相互作用の頻度以上にその表現形態が授業成果に重要な意義をもつことが明らかになった。 4)体育授業観察評価チェックリストを作成する目的から,授業を観察した教師たちを対象に調査研究を行った。因子分析を施した結果,教師たちは「教師の相互作用」「学習環境」「授業の勢い」「効果的学習」「意欲的学習」の5つの観点から評価することが明らかになった。また,これらの観点からの評価と子どもの形成的授業評価との関係を分析した結果から,熟練教師は,これら2つの評価の間に強い相関が認められた。
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