本研究は、循環器系専門医、看護婦、臨床検査技師、筑波大学大学院生、つくば市高齢福祉事業団、各地区の老人会などの協力を得ておこなっており、概ね順調に進行している。最終的に対象者の数は、一般健常成人250名、運動負荷試験に慣れた半健常者100名、QOL指標の有効性をみるための比較対象として高齢のスポーツ愛好家(マスターズ競技会出場選手)50名、生涯スポーツプログラムに参加している者100名、計500名とする予定で、現在約3分の1から4分の1のデータ収集を終えている。 本研究の目的は、(1)高齢者が自立して活力ある日常生活を営むのに必要となる活動能力(生活体力)の構造を明らかにし、その上で(2)高齢者の生活体力水準をより客観的に評価する尺度(QOL指標)を考案し、さらに(3)QOLを顕著に高めるために有効となる中高年齢者用の健康運動プログラムのソフトを開発することである。 目的(1)に対しては、ADL関係のアンケート調査およびフィールドでの体力・運動能力・身体機能などの測定・検査データ(n=86〜162)に対する因子分析的アプローチから、目的(2)については、主成分分析や重回帰分析の長所を活かしてQOL指標の作成を試みている段階である。目的(3)については、病院内監視型運動療法・リハビリなどの実践的成果に基づいて総合的に検討中で、性・年齢・疾患別の健康運動プログラム(案)が提供できる見通しである。
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