研究概要 |
近年、パソコンの世界におけるGUI(Graphical User Interface)機及びインターネットの普及は目覚ましいものがある。われわれは日本数学教育学会における1992年から2年間にわたる文部省からの委託研究並びにその後の数式処理ソフトの利用に関する研究の成果を踏まえ、多くの研究者の協力を得て、そのような新しい環境のなかでの数学教育について考え、大学及び高等学校におけるGUI上の学習用ソフトウェア及びこれを開発するためのツールについて理論的かつ実践的な調査・研究を行うことを試みた。GUI上でのアプリケーションを開発するための言語Visual Basicなど,数式処理システムMathematica,Methcadなど、表計算ソフトExcelなど、インターネット系言語HTML,Javaをそれぞれ用いて作成された多くの興味ある学習用ソフトウェアの事例が報告された。GUIによってコンピュータの操作性は著しく改善されたけれども、数学科における、これに対応する学習用ソフトウェアの開発については多くの課題が残されていることが明らかになった。学習用ソフトを"活用"できるような施設・設備の充実については各学校段階において今なお不充分だが、将来に向けての布石の役割を果たし得たと思う。 インターネットの利用についても、いろいろな事例が報告され、この機会に各研究グループの間に情報交換のリンクを張ることなどが提案され既に試みられつつある。今後はこれを、今回あまり触れられなかった電卓や、手を付けることができなかた小学校。中学校における算数・数学教育も含めて研究情報の交換にも広げて行きたい。
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