研究概要 |
高等学校化学および中学校理科における実験レポートを中心とした表現力の育成に関する研究計画に基づき,次のとおり進めてきた。 1.新潟県,長野県,群馬県の各県教育センターおよび東京近郊の中・高等学校より研究協力委員として協力を得た。東京近郊の研究協力委員を中心に月に1回ずつ研究会を開催した。 2.高等学校化学の個人実験教材(実験プリント)を,結果および考察について書かせる項目を入れるように改訂ないし開発し,10教材を冊子にまとめた。 3.2学期より高等学校教材の改訂作業とともに各校で実験を実施した。 4.中学校理科2年用の実験教材(実験プリント)5教材を,高等学校と同様に開発作成した。 5.調査結果について,3月に各県センターの指導主事らの研究協力委員会議を開催し,分析結果の報告と今後の調査分析の進め方等について検討した。 また,高等学校と中学校の改訂した実験教材および教師用手引き,さらに,今年度の実践結果については,中間報告書にまとめた。 各学校における実践において,定型文を示すことが結果と考察に記述に有効であること,何回か繰り返すうちに定型文が定着していくことがわかった。また,生徒も結果や考察が文章として書けたことを喜んでいる様子であるとの報告も複数の学校からあった。課題としては,実験レポートに書かれた文章の分析と,定型文を実験レポートへどのように生かしていくか,その手立てを示すことが残っている。
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