研究課題/領域番号 |
07458029
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
牟田 博光 東京工業大学, 工学部, 教授 (70090925)
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研究分担者 |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (00114893)
中川 正宣 東京工業大学, 工学部, 教授 (40155685)
楠見 孝 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70195444)
松田 稔樹 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60173845)
浜野 隆 東京工業大学, 工学部, 助手 (00262288)
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キーワード | 遠隔教育 / 費用効果分析 / 放送大学 / 教育メディア |
研究概要 |
遠隔教育に関する短期的効果として、電話回線を利用した画像情報の送受信による遠隔講義を行い、その効果を測定した。単なる実験として行うのではなく、現在行っている授業の一部として、東京工業大学大岡山キャンパスと大阪大学との間の遠隔授業を行い、通常の形態の授業との比較で、その、認知的、非認知的効果を測定した。 遠隔教育の長期的効果としては、本研究では調査対象者が3,000名以上と多い、放送大学卒業者を中心に、郵送法による調査を行った。これらの中には、高卒で放送大学卒の資格を得た者、既に大卒でありながら、新しい分野の学問を修めた者など多様な者が含まれており、いくつかのケースに分けた分析もおこなった。しかも、最初の卒業生が出て既に6年以上たっており、社会人の生涯学習が職業生活に及ぼす効果を分析するには十分な条件がある。調査内容は、満足度など主観的な評価の他に、大学の授業内容と職務の関係、大学卒業前後の賃金、地位、職務内容の変化、これらの変化に及ぼした放送大学の寄与、今後の予想、等である。具体的な数字では把握できないものについても、できるだけ数量的な処理が可能なような形で調査票を構成した。 回収された調査票のうち有効な数は1,868であった。この回答結果をもとに、放送大学の教育がその卒業生に与えた金銭的効果と非金銭的効果とを分析した。放送大学の金銭的効果については、既に大卒資格を有していた人への金銭的効果は小さいものの、大卒資格を有していなかった人への金銭的効果が認められること、しかし、その金銭的効果は、一般の大卒者と同等の人的資本量となるまでには至らないことが明らかとなった。また、非金銭的効果については、卒業生は学習環境の利便性の恩恵を享受しつつ、主として教養を身につけて卒業すること、そして、職業知識の習得やキャリアの獲得を求めて入学する者もいるが、その効果はあまり大きくない。
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