研究概要 |
(1)情報教育推進校の事例分析 平成8年度に10校弱の小・中学校を対象とした訪問調査をおこない,各学校の情報教育史・メディア環境・現在のカリキュラム・教授組織や学校運営体制などに関する聞き取りを実施した。 平成9年度は,滋賀大学教育学部附属中学校・新潟県中郷小学校・富山県福野小学校・京都市教育委員会情報教育センターに対象を限定し,訪問・観察・聞き取りを継続した(学期に1回程度)。 各種データを整理した結果,情報教育推進校は,校内イントラネットの効果的な活用,総合的な学習への情報機器の導入,ITコーディネータの位置づけ,情報教育のための教師教育の充実,などの点に配慮していることが分かった。そして,分析結果を参考に,情報教育普及・発展要因をモデル化した。 (2)質問紙調査 平成7年度に予備調査をおこない,それを踏まえて,平成9年度に,小・中学校を対象とする質問紙調査を実施し,我が国の情報教育の実態と要因を明らかにすることを試みた。 調査は大きく2つに分かれる。ひとつは,西日本・中部日本の情報教育指導者講座に参加した小・中学校教員を対象とするものである。ふたつは,富山県の小・中学校の全数調査である。 前者の調査から,インターネット利用環境は全国的にはまだ整っていないこと,かつてに比べてコンピュータを利用する教科や使用するアプリケーションに広がりが出てきていること,などが分かった。 また,後者の調査から,情報教育担当者が「情報機器のメインテナンス」「研修」を担当していること,彼らに対する外部サポートがまた充実していないこと,などを指摘することができた。 (3)報告書の作成 平成7〜9年に収集した知見を整理し,報告書にまとめた(A4版70ページ程度)。
|