教育技術研究のパラダイムを利用した現職教育に関する研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07458032
• 研究種目: 一般研究(B)
• 研究機関: 鳴門教育大学
• 研究代表者: 西之園 晴夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90027673)
• 研究分担者: 益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (10219321) ; 小野瀬 雅人 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40224290) ; 村川 雅弘 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50167681)
• キーワード: 教育技術 / パラダイム / 教師教育 / 現職教育 / 授業研究

研究概要

教育工学分野における授業研究においては、従来、量的分析に力点が置かれ、カテゴリによる分析などが行われてきた。しかしながら、教師自らが自分の教育技術を自省的に研究するときには、そのような量的分析では不十分であり、質的分析が必要になる。最近、いろいろな分野においてコンピュータを利用しての質的分析が試みられるようになっているが、わが国の教育分野においてはまだ研究事例は少ない。そこで、本年度は、研究の枠組みとなる教師の教育技術について理論的に検討し、教育技術を判断命題として記述することの妥当性を検討した。一方、そのような命題をカ-ル・ポパ-の批判的合理主義の立場を参考にしながら組織的に命題を修正する方法を検討した。このような理論的検討と並行して、修士課程の学生の協力を得手装置を用いてのデータ分析の基本的システムを構築することを進めた。現在の状況では、ビデオ録画された授業風景をオンラインコントロールしながらカテゴリー化することには成功している。カテゴリー間を連結して関連づけることも終了している。また、質的分析のもっとも単純な方法として、表計算ソフトのEXCELにデータとして取り込み、それを操作しながら質的分析を試みている。このような経験から、ビデオ制御装置を用いることによって、カテゴリー分析ならびに単純な質的分析を実行することが可能となった。とくにオンラインのデータ化から分析に至るまでの中間段階として表計算ソフトを活用することは、データの編集、修正などの管理面できわめて便利であることが示された。今後の研究としては、質的分析の方法を検討しそれをプログラムとして記述することである。

研究成果

• [文献書誌] 西之園晴夫: "教育技術の客観的知識化の方法論にて-教育技術判断命題の妥当性に関する考察-" 鳴門教育大学研究紀要(教育科学編). Vol.10. 121-129 (1995)
• [文献書誌] 西之園晴夫: "教師教育パラダイムの違いと現職教育制度" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. Vol.11. 55-56 (1995)
• [文献書誌] 西之園晴夫: "教育技術の研究方法論に関する考察(3)" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. Vol.11. 163-164 (1995)
• [文献書誌] 林 明彦,西之園晴夫: "教授行動の訓練を目的とした授業分析方法の開発" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. Vol.11. 149-150 (1995)
• [文献書誌] 福田勝美,西之園晴夫: "野外活動における児童の言語行動の分析" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. Vol.11. 457-458 (1995)
• [文献書誌] 中井一仁,西之園晴夫: "小学校の学習指導における「授業ルーチン」の機能に関する研究" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. Vol.11. 487-488 (1995)
• [文献書誌] 林 明彦: "教授行動の訓練を目的とした授業分析方法の開発" 第21回全日本教育工学研究協議会全国大会研究発表論文集. Vol.21. 319-322 (1995)
• [文献書誌] 福田勝美: "野外活動における児童の言語行動の分析" 第21回全日本教育工学研究協議会全国大会研究発表論文集. Vol.21. 371-374 (1995)
• [文献書誌] 中井一仁,西之園晴夫: "小学校の学習指導における「授業ルーチン」の機能に関する研究" 第21回全日本教育工学研究協議会全国大会研究発表論文集. Vol.21. 315-318 (1995)