研究課題/領域番号 |
07458046
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
大久保 哲夫 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (60032497)
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研究分担者 |
越野 和之 奈良教育大学, 教育学部, 助手 (90252824)
玉村 公二彦 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (00207234)
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キーワード | 障害児学級 / 特殊学級 / 地域格差 / 精神遅滞児 / 授業 / 絵本教材 / 学級経営 / 教育課程 |
研究概要 |
1.障害児学級設置状況の経年的変化や地域特性を把握するため、養護学校教育義務制が施行された1979年から1994年までの15年間について、学校基本調査報告書の統計資料に基づいて検討した。その結果、障害児学級の設置状況は総体として地域格差が大きいが、障害種別ごとに分析するとその格差はさらに大きくなることが把握された。特に精神薄弱学級以外の学級について地域格差は拡大しており、今後これら地域ごとの精密な事例研究とそれに基づく比較研究の必要性が示唆された。 2.障害児学級における授業は、学級により児童・生徒の実態が多様であるため一般化は容易でないが、同一の絵本教材を用いた二つの授業の比較分析をした。その結果、児童・生徒の集団構成により授業展開上の特徴は現れるが、指導課題の設定と教材の提示方法によって授業をコントロールし、集団構成の質に応じた授業を行うことができる可能性が示唆された。 3.障害種別では圧倒的に学級数の多い全国の精神薄弱学級の10分の1、次いで数が多く、しかも精神薄弱学級に近い実態にあると予想される情緒障害学級の5分の1を抽出し、在籍児童・生徒の実態、学級経営の状況、教育過程の編成と展開等にわたってアンケート調査を実施した。現在その集計・分析中であり、そこから精神薄弱・情緒障害学級の全国的な傾向性や地域特性がかなり解明されるものと予想される。 4.障害児学級の教育課程編成に関し、生活単元学習・作業学習中心の学級経営が依然として根強いなか、そこに個別指導計画を導入した実践が現れ始めていることを把握した。
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