研究概要 |
平成7年度の計画は,部品の類似性の分類,性質,ならびに,その仕様定義の方法について研究するとともに,各種手法の統合化のためのデータ・アーキテクチャ(サブシステム群が共通に利用するデータ構造)の研究を行うことであった.その詳細を以下に示す. (1)形式的仕様の獲得手法の研究:(1-1)類似性の形式的定義の研究,(1-2)類似性評価方式の研究,(1-3)代数的仕様の実現正当性の検証支援系の研究 (2)仕様からプログラムへの自動変換の研究:(2-1)データアーキテクチャの検討と設計,(2-2)ソフトウェア部品データベースの研究 項目(1-1,2)に関しては,論文『形式的仕様を用いた再利用モデル』に発表した.そこでは,形式的仕様として代数的仕様を用い,仕様とプログラムの組を部品とした再利用モデルと仕様に基づく検索と差分抽出,およびプログラムへの適用からなる再利用法を提案し,再利用法の適用例を示した.適用例では約60%の既存プログラムが再利用でき,自動生成されたプログラムと比較して効率の良いプログラムが得られことも判明した.項目(1-3)に関しては,項集合書換え系に関する研究を進めた. 項目(2-1,2)に関する研究として,細粒度リポジトリに関する研究を進めた.その成果に関しては,『細粒度リポジトリに基づいたツール・プラットフォームとその応用』などで発表した.
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