研究概要 |
平成8年度の計画を以下に示す. (1).類似性評価系を組み込んだソフトウェア部品データベースのプロトタイプの作成 (2)ある程度の規模の部品データを上記プロトタイプデータベースに蓄積し,登録,検索,使用定義などの作業に関する問題点を探る より知的なソフトウェア部品データベースに関する研究として,日本ソフトウェア科学会FOSE'96において発表した「プログラム理解のための依存関係表示ツール」および「プログラム動作理解のための抽象実行系」などの研究を進めた.どちらも,従来のCASEツールが提供していた一般的なビューよりも高度で柔軟なビューをCASKツール作成者に提供するためのモデルとその実現であるAIP関する研究である. ソフトウェア部品データに関する研究として既存のソフトウェアからソフトウェアコンポーネントを抽出するための基礎的な調査を行った.具体的には4.4BSD-Liteを対象としたUNIX APIに関するコーパスのプロトタイプを作成した.コーパスを作成するためにUNIX APIのngram作成コマンド,およびUNIX APIの組み合わせパターンの検索コマンドの実現方法を検討し試作した.また,約33万行の4.4BSD-Liteソースプログラムから比較的よく使用される約50個のプログラム部品を抽出した. また,最近注目を集めているJava言語を対象とした,ソフトウェアデータベースに関する研究として「Java言語のための細粒度リポジトリ」を行うとともに,我々の研究の全体像を情報処理学会のワークショップにおいて「柔らかなソフトウェア部品と新工法」として示した.
|