研究課題/領域番号 |
07458062
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
雨宮 真人 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (90202697)
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研究分担者 |
鶴田 直之 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (60227478)
峯 恒憲 九州大学, 理学部, 講師 (30243851)
村上 和彰 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (10200263)
谷口 秀夫 九州大学, 工学部, 助教授 (70253507)
谷口 倫一郎 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (20136550)
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キーワード | 超並列処理 / 宣言型並列言語 / 並列オブジェクト指向 / 細粒度マルチスレッド処理 / 並列化コンパイラ / 超並列マシン / データフロー / メッセージフロー |
研究概要 |
本年度は特に宣言型言語の実用性を示すために、分散メモリ型商用超並列計算機上への効率的な処理系実装を主眼として以下のような研究を進めた。 言語仕様の整備 1.まず、言語仕様の点からは、AP1000などの分散メモリ型超並列マシンへのデータの配置指定や並列実行/負荷平衡化制御をプログラムレベルで明示的に記述させるための注記記法について検討を行ない、その効果について予備的な評価を行なった。 2.V言語の応用については、マルチメディア交換システムへの応用と画像処理への応用について検討を行なった。交換システムへの応用に関しては、マルチエージェントモデルによる呼処理システムの提案とそのプロトタイプ実験システムの記述実験を行なった。画像処理への応用としては、画像のフィルタリングや領域抽出などのアルゴリズム検討と記述実験を行なった。 並列化コンパイラのバ-ジョンアップ 1.仮想マシンモデルを対象にした中間言語生成レベルでの機種非依存の最適化法について研究を行ない、データフローセマンティクスによって生じる冗長データコピーの削減法を考案し、その効果を明らかにした。 2.並列処理一般に当てはまる構造データの分散法、負荷の分散法について、機種非依存、機種依存の両面から検討を加え、宣言型言語における構造データの分散配置方策、粒度制御などについて予備評価を行なった。 3.データ並列記述部分については、商用手続き型言語におけるデータ並列処理と比肩できる性能が得られることを明らかにした。 4.agent機能の実装を行う.agent記述はプリコンパイルによって関数集合に変換する方式をとるがその具体化を行ないコンパイラへの実装設計を行なった。その結果、並列オブジェクト指向言語一般に共通する問題として、現在の分散メモリ型の商用マシンではメッセージ通信のオーバーヘッドが大きく性能面では実用的なシステムを構築することが困難であることを明らかにした。 細粒度並列処理のためのマシンアーキテクチャ 上記4の問題意識に立ち、メッセージ通信のオーバーヘッド問題を解決すし、細粒度並列処理向きのマシンのアーキテクチャについて研究を進めそのプロセッサの構成法を具体化した。この研究は、宣言型超並列言語の効率的な実行のためにはマシンアーキテクチャにまで踏み込んで超並列コンピュータシステムのあるべき姿を求めるという立場から進めたものである。
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