研究概要 |
情報技術が大きく変化しつつあり、本研究は将来の新しい情報技術のコンセプトを確立することを目指し、従来とは異なる情報システムの研究を行ってきた。この研究では新システムを構成する2つの新技術の概念を確立し、基本技術を開発した。第1は汎用の知能情報処理方式を可能にする技術、第2は問題に応じてこの汎用システムから問題向きシステムを生成する技術である。このうち第一については主として第1年度(平成7年度)で研究を行い、第2について基本方式を第2年度(平成8年度)に求めてきた。この研究は順調に進み、新情報技術と呼べる新しい情報処理方式の提案がほぼ出来るまでに至っている。こそシステムはモデル方式の自律的問題解決システムであり、異なる知的機能を表す多種の知識群が相互の関係によって知識構造として蓄えられる。この知識構造は問題の表現に基づいて必要な知識の部分構造が取り出せるような検索システムを構成している。一方、広範囲の問題とその解決プロセスの中間状態、そして最後の解を表現するために、モデル従来の単純な表現では不十分であり、人間を含むシステムをモデル化出来る多階層異種機能モデル(Multi-Strata Model)を定義する。これらすべてを統一言語で表すための知識表現言語としてはメタ表現が出来る知識表現言語としては既に多層論理(Multi-Layer Logic,MLL)が開発されており、これを用いた。このシステムでは問題が与えられるとそれはモデルの形で受け取られ、この問題表現を手掛かりに知識構造から必要な関連知識を取り出す。これはいわば汎用の問題解決システムから、問題に特化した専用問題解決システムを生成することに相当する。専用問題解決システムはこの問題の処理プログラムの原形でもあり、これからプログラムが生成される。この方式で自動プログラミングの開発に進むことを予定している。
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