研究課題/領域番号 |
07458080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西村 浩一 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10180639)
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研究分担者 |
納口 恭明 科学技術庁, 防災科学技術研究所, 主任研究官
前野 紀一 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50001657)
石崎 武志 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (80212877)
児玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
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キーワード | スキージャンプ台 / 乾雪表層雪崩 / ピンポン流 / 3次元粒子流モデル |
研究概要 |
昨年度の予備実験に引き続き、平成8年8月、宮の森(ノーマルヒル・70m級)のスキー競技用ジャンプ台において、2個から最大30万個までのピンポン球を一気に流下させ、ビデオによる挙動と形態変化の観測、ならびに流れのもたらす衝撃圧、静圧変化等を測定した。流れの先端速度は粒子数とともに対数的に増加し、30万個の場合はピンポン球一個の終端速度より1.5倍大きい15m/sに達した。こうした速度のサイズ依存性は、次元解析から理論的にもとめた値と定量的に良く一致した。現在、個々の粒子の運動状態および静圧変動から求められた空気の速度を解析・検討の上、2次元粒状体流れの数値モデルの結果との比較を行うとともに、3次元モデルへの拡張をめざしている。 積雪期(平成9年3月)には、同じジャンプ台を雪崩斜面として用いて、あらかじめ細かく砕いた雪を最大約400kg流下させる実験を行った。そして雪の加速に伴う破壊、流動化、粒子化、雪煙の発生そして停止、堆積に至るまでを連続的にビデオカメラで撮影した。また黒部峡谷で自然雪崩を対象に展開している観測システム(荷重変換器、風圧計、気圧計等)と同様のものを走路上に構築し測定を行った。本実験については現在はまだ解析を開始した段階であるが、昨年度3月の2次元的予備実験からは、荷重変換器のデータと静圧変動の値を用いて、雪と空気の内部速度構造を独立に求めることに成功している。また、昨冬は黒部峡谷において最大速度が70m/s以上に達する大規模な雪崩観測にも成功し、その内部構造が初めて明らかになった。現在、ピンポン流、雪の流下実験、さらには自然雪崩に共通してあらわれた特徴的構造(高さと長さの比がおよそ1対10)を中心に雪崩の流動特性の解明を進めている。
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