研究課題/領域番号 |
07458097
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上坂 充 東京大学, 工学部, 助教授 (30232739)
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研究分担者 |
古澤 孝弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20251374)
広石 大介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20199110)
柴田 裕実 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (30216014)
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
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キーワード | サブピコ秒 / パルスラジオリシス / 電子線 / ライナック / 極短X線パルス / X線回折 |
研究概要 |
28LモードにおいてX線パルススナップショット法の予備実験を行った。X線パルススナップショット法とはX線を用いたパルスラジオリシスの一種であり、最終的にはフェムト秒レーザーを試料に照射後、サブピコ秒電子ビームをターゲットに入射することで発生するサブピコ秒X線パルスを試料に照射し、X線回折像を得ることでパルスラジオリシスを行う。本年度は、この予備実験として28Lモードにおいて生成された10ps電子ビームを銅ターゲットに入射することでピコ秒X線パルスを発生、これを試料である塩化ナトリウム単結晶に照射し、試料のX線回折像(ブラッグ班)の取得に成功した。昨年までのパルスラジオリシス法と比べ、SN比が改善されることが期待されたが、実験開始当時はSN比が非常に悪く回折像の取得に失敗した。その後、試料の配置位置の精密化及びノイズ遮断を行い、非常に良いSN比の回折像を取得することが出来た。しかし、サブピコ秒X線パルスによる回折像を得る段階まで実験が進行しなかった。これは、極短X線は強度の時間積算量が少量であること及び発生機構上発散角が小さくなり、試料の配置位置がより精密になる必要があるといった克服点のためである。また、最終的にはレザーとピコ秒・サブピコ秒レベルで同期(タイミングを合わせる)を行う必要があるため、同期システムを構築した。実験の結果ジッター3.7psであり、現状の装置としてはもっとも良い範囲であった。改善点としては、装置自身(RFオシレータなど)の改良及び全く別のシステムの構築(ライナックそのものの再改築)が考えられるが、現状では同期システムは改善の余地はないと考えられる。
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