研究課題/領域番号 |
07458098
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝村 庸介 東京大学, 工学部, 教授 (70111466)
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研究分担者 |
上坂 充 東京大学, 工学部, 助教授 (30232739)
広石 大介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20199110)
浅井 圭介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60231859)
吉田 陽一 大阪大学, 産業学研究所, 助教授 (50210729)
石榑 顕吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90010975)
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キーワード | 放射線化学 / 水溶液 / パルスラジオリシス / スパー反応 / 直接効果 / 間接効果 |
研究概要 |
我々は放射線誘起化学反応に強い関心を持ち、アプローチとして原子力工学分野での放射線効果について課題を採り上げ、放射線化学的に解明し提案・報告するという形をとっている。原子力工学分野で問題となる放射線効果は水溶液系が多いため、これらを集中的に検討してきた。これらは原子力工学特有の課題であるが、放射線化学反応研究への新しい寄与という観点から体系化を目指して進めてきた。当初は以下の4つの課題を掲げた。 (1)濃厚無機水溶液の放射線反応 (2)イオンビームパルスラジオリシスシステムの構築とその利用 (3)水溶液中放射線反応のシミュレーション法の整備 (4)超高速反応研究システムの構築と応用 このうち、(1)は、再処理プロセスの濃厚硝酸水溶液の放射線反応研究から、他の水溶液系(硫酸、リン酸、過塩素酸等)へ対象が拡張し、これらの中での共通の考え方の整理と概念化が達成された。(2)は、放射線医学総合研究所に重粒子線装置HIMACが建設され基礎研究にも提供されることになり、イオンビームを用いたパルスラジオリシスシステムを構築し、これを用いた実験を開始できた。(3)は水溶液中での放射線反応の1つのアプローチであるspur kinetic modelを種々LET放射線反応に対して利用できるようコード化し、特に(2)の実験結果の解析評価にも活用できるようツールとして利用できる状態できた。(4)は放射線化学を深く理解するために、引き起こされる反応を速い時間領域から遅い時間領域まで時々刻々追跡することが望ましい。これまでサブナノ秒の時間領域に到達しているが、これをさらに前進させてピコ秒、サブピコ秒に時間分解能を拡大させようという目論みであったが、必要とされる予算措置が講じられず、この項目については十分な活動をすることが出来なかった。個々の課題の成果については、成果報告書として整理してあるので、これを参考にされたい。
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