研究課題/領域番号 |
07458099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中沢 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00010976)
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研究分担者 |
河原林 順 名古屋大学, 工学部, 助手 (80283414)
高田 英治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00270885)
高橋 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70216753)
井口 哲夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60134483)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 光電子増倍管 / マイクロマシニング / エッチング / LIGA / 電子増倍 / シリコン / PMT |
研究概要 |
最近SRなど高輝度の線源が得られるようになっており高計数率動作の可能な放射線イメージング用検出器の需要が高まっている。本研究では、極めて高い計数率で動作可能なイメージング用検出器として、微細加工技術を利用した新しいマイクロ光電子増倍管(MPMT)の開発研究を行った。MPMTは、電子増倍を行うための100μm×100μm程度のピクセルサイズの微細なダイノードチャンネルを一枚のダイノードプレート上に多数構築し、それらを多段に積み上げることにより必要な電子増倍度を得る構造をもつ。この場合各ピクセルがそれぞれ独立した光電子増倍管として動作する。本研究では、2つのピクセル形状の設計と試作を行った。それらはピラミッド型と斜め穴型のダイノードチャンネル形状のものであり、それぞれシリコンの微細加工、LIGAプロセスにより製作される。電子軌道と2次電子放出のシミュレーション計算を行った結果、適当なピクセルサイズと電極間距離を選ぶことにより、12段のダイノードを用いた場合前者に対して最大10^5程度、後者に対して最大10^7程度の電子増倍度が得られた。そこで、実際に試作を行い、前者については、100μm×100μmのピクセルサイズのものを4段まで組み上げ、後者については、100μm×80μmのピクセルサイズのものを2段組み合わせたテスト用デバイスを作製し、真空中において、電子銃により電子を打ち込み、試験を行った。その結果、前者については、多段にしたときに、チャージアップなどの現象が顕著に見られ、十分な電子増倍度が得られなかったが、後者については、各段に与える電圧を400Vとした場合、計算で予測された性能とほぼ等しい一段あたり約2倍の電子増倍度が得られた。ダイノードを多段に重ねることについては、十分可能であるとの見通しを得たため、今後より段数を増やして実用デバイスを製作する予定である。
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