研究課題/領域番号 |
07458100
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 興一 東京大学, 工学系研究科, 客員教授 (10260499)
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研究分担者 |
伊原 学 東京大学, 大学院・工学系研究科, 寄付講座教員 (90270884)
榊 啓二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 客員助教授 (50272406)
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キーワード | 固体酸化物燃料電池 / 低温作動 / 高発電効率 / 高出力密度 / 電極反応機構 / 電気自動車 |
研究概要 |
(1)電気自動車(EV)要の固体酸化物燃料電池(SOFC)概略設計 SOFCと蓄電池を用いたハイブリッドEV(5人乗り)のSOFC出力を計算し、10kWの値を得た。10kWSOFCの管型、平板型の概略設計をし、容積、重量は前者が100 l、100kg、後者が150 l、200kgの値が得られEV搭載可能であることがわかった。 (2)低温用酸素、燃料極に関する研究 SOFCの性能として作動温度:800℃、発電効率:50%、出力密度:0.2W/^2を開発目標値とした。燃料は天然ガス、ナフサ、灯油、プロパンなどを想定したが、今年度はH_2、CH_4を使用し実現を進め以下に示す成果を得た。 ・酸素極における反応構成の解明 電極としてはLSM単独電極を用いたものと、LSM/YSZ混合電極を用いたものの2種類を作成した。電極粒子の粒径、バインダー濃度、電極とバインダーの混合比を変化させることで異なる三相界面長を持たせた。混合電極の方が低い過電圧を示した。電極表面上の酸素イオンの拡散と気相からの吸着解離を考慮して、空気極をくし形の円柱に簡略化し、モデルの構築を行った。気相への脱離はLSMの表面交換係数を用いた。モデルから得られた三相界面長と過電圧の関係は単独電極の実験値とよく一致した。混合電極は界面における三相界面だけでは過電圧が低く、三相界面が電極中も三次元的に分布していることが示唆された。 ・燃料極におけるCH_4を酸化反応機構 ニッケル/YSZサ-メット電極上でのメタンの反応について検討した結果、次のことが明らかになった。 (1)通電条件では主に次の3反応が起こっており、電流密度を大きくすると、完全燃料の選択性が高なることが分かった。 CH_4→C+2_2 C+O^<2->→CO+2e^- CH_44O^<2->→CO_2+2H_2O+8e (2)燃料極に析出した炭素は酸素による酸化で除去でき、電極性能の回復することが分かった。
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