研究概要 |
d-D中性子によるデータ欠落エネルギー領域の核融合炉候補材の放射化断面積測定の準備および測定を行った。 (1)d-D中性子源用重水素ガスターゲットの製作および発生中性子の特性測定:dビームの入射窓に2.2μmのハーバーフォイルが付いている内径8mmφ×長さ29mmのガスターゲットを製作した。これに名古屋大学工学部のKN-3750バンデグラーフ加速器より得られる2.5,2.0,1.5,1.0MeVのdビームを入射した。発生する中性子スペクトルをNE213液体シンチレーション検出器で測定した。3-6MeVのほぼ単色エネルギーの中性子が得られた。中性子束はターゲットから5cmの位置,dビーム電流1μAで、2.3×10^5n/cm^2sが得られ測定に使える目途が立った。 (2)試料照射用気送管システムの製作:送り・試料照射・戻し・照射試料測定を自動で行うパソコン制御の内径21mmφ×長さ15mの一本の気送管からなるシステムを製作し、短寿命核の放射化断面積測定に有効であることが分かった。 (3)高効率井戸型ゲルマニウム検出器の測定特性の解明:購入した検出効率を測定した。期待通り、通常の検出器の6〜7倍の効率が得られることが分かった。 (4)測定データの全くないd-T中性子による断面積測定:^<179>Hf(n,np)^<178>Lu,^<180>Hf(n,p)^<180>Luについて放射化法により今回初めてデータを得た。 (5)放射化法に必要な崩壊データの整備:β崩壊半減期の値は放射化法による断面積測定には必須であり、^<91m>Mo,^<97m>Nb等核種について0.7%以下の精度で結果を得た。
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