研究課題/領域番号 |
07458105
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西澤 嘉寿成 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029089)
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研究分担者 |
泉 佳伸 大阪大学, 工学部, 助手 (60252582)
江間 喜美子 大阪大学, 工学部, 助手 (10029168)
山本 忠史 大阪大学, 工学部, 教授 (70201845)
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キーワード | 同位体分離 / 化学交換法 / クラウンエーテル / 偶数質量数 / 奇数質量数 / ストロンチウム / マグネシウム / 亜鉛 |
研究概要 |
クラウンエーテルの一種であるdicyclohexano-18-crown-6を用いた液-液抽出法により、(1)ストロンチウム、(2)マグネシウム、(3)ニッケル、(4)亜鉛、(5)ガドリニウムなどの希土類元素の抽出挙動を調べると共に、それらの同位体によるちがいを調べた。その結果、同位体効果は必ずしもそれらの質量の関数として表されるものでないことをつきとめた。このことは、従来の定説「化学交換法による同位体効果は、質量の2乗に反比例する」に全く反することが判明した。また上に記した各元素は奇数質量数の同位体が天然に存在するが、奇数質量数同位体と偶数質量数同位体が異なる化学挙動をすることが分かった。 以上の結果から判断して、化学交換反応による同位体分離は、化学結合の振動エネルギーのちがいによるが、従来定説の質量による効果はむしろ小さく、振動の力の定数による効果の方が大きいことが明らかになった。原子の電子エネルギー、特にs-軌道は原子核の質量と角運動量によって同位体シフトすることは分かっているが、そのエネルギーシフトによって化学結合の振動における力の定数が変化したものと考えられる。 今までその分離係数の小ささの故に絶望視されていた化学交換反応による重核の同位体分離に新しい展望が開けたといえる。また、原子力工業に必要な同位体分離技術、例えば^6Li/^7Li,^<235>U/^<238>Uの分離にも有望であろう。
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