研究課題/領域番号 |
07458110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
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研究分担者 |
鳴井 実 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20250821)
四竃 樹男 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30196365)
茅野 秀夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005890)
福元 謙一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30261506)
木村 晃彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90195355)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 核融合炉材料 / ヘリウム効果 / ウラン / 3体核分裂 / フェライト鋼 |
研究概要 |
核融合炉中性子照射においては、核分裂炉に較べてはるかに多量のヘリウムが材料中に生成するので、核融合炉照射の効果を調べるには中性子照射と同時に多量のヘリウムを発生させるための手段を講じる必要がある。本研究では従来の方法を応用することが困難なフェライト鋼等の材料に対して適用可能な方法を開発することを目的とした。 本研究において開発した方法の原理を述べる。ウラン等の元素は核分裂反応をおこす際に一定の確率で高エネルギーのアルファ粒子を生成するが、これを利用してウランで試料をはさんで原子炉中で照射を行うと、生成した高エネルギーアルファ粒子は試料中に注入されることになる。この注入深さは鋼鉄等の典型的な工業材料で数十μmに達する。試料厚さを数十μmの厚さとし、試料板の両側から核分裂物質の薄板でサンドウィッチ状にはさむことにより、試料中にほぼ均一にヘリウムを注入することができる。 原理は上述のように比較的単純ではあるが、本方法が現実に実行にうつされたのは本研究が始めてであり、この意味で極めて大きな意味を持っている。また、この方法によればフェライト鋼のように工学的には非常に重要な材料でありながら、適切なヘリウム同時注入手段のなかった材料に新たな方法を提供するという点で、核融合炉材料開発において極めて大きな意義を持っている。さらに将来、JMTRよりも大きな照射量を比較的容易に得られる原子炉を用いて、核融合炉材料として有力視されてきたフェライト鋼の延性に及ぼすヘリウムの効果に対して決定的な実験を行う技術を手中にしたことは非常に意義深いといえる。
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